「注文住宅を建てる」という人生の中で大きなプロジェクトを始めるときには、どのような会社に依頼すればよいのでしょうか。
自分たちが住むための家を建てるということは、とても重要な決断です。そのため、省エネ性能が高く、デザイン性にも優れた家を建てたいという希望を持っていると思います。しかし、同時に費用も大きな問題となります。このような希望に応えてくれる「工務店」と「ハウスメーカー」について、それぞれの特徴を知って、自分たちに合った会社を選ぶためのポイントをご紹介します。
目次
- 1 「工務店」「ハウスメーカー」はどう違う?
- 2 「工務店」「ハウスメーカー」の特徴とメリット・デメリット
- 3 失敗しない注文住宅づくり。工務店やハウスメーカーの上手な選び方
- 3.1 【タイプ別】こんな人には工務店・ハウスメーカーどちらがおすすめ?
- 3.1.1 とにかく価格を抑えたい人→ローコスト住宅専門ハウスメーカーがおすすめ
- 3.1.2 「こんな家を建てたい」というこだわりがある人、自分のイメージが明確な人→工務店がおすすめ
- 3.1.3 性能やデザイン面で満足できる家を建てたい人→ハウスメーカーまたは提案力のある工務店がおすすめ
- 3.1.4 迷ってしまって家づくりのイメージがなかなか固まらない人→ハウスメーカー、または頼れる担当者がついてくれる工務店がおすすめ
- 3.1.5 忙しくて施工会社選びやその後の打ち合わせに時間をかけられない人→ハウスメーカーまたは規模の大きな工務店がおすすめ
- 3.1.6 将来のリフォームも考えて末永く付き合える会社に依頼したい人→アフターフォローに定評のある、ハウスメーカーまたは規模と実績が確かな工務店がおすすめ
- 3.1.7 「店舗兼自宅」「ガレージ付き」など特殊な仕様の家を建てたい人→多様な建物施工実績のある工務店がおすすめ
- 3.1 【タイプ別】こんな人には工務店・ハウスメーカーどちらがおすすめ?
- 4 まとめ
「工務店」「ハウスメーカー」はどう違う?
家を建てるときに多くの人が利用する会社として「工務店」と「ハウスメーカー」があります。「工務店」「ハウスメーカー」の定義とは何か、どんな特徴をもっているのかを解説します。
工務店とは
工務店とは、住宅を含む工事全般を請け負う企業のことであり、店舗やオフィスビルの建設や土木工事なども行っています。
小規模な会社から大手の工務店まで、多様な規模の企業がありますが、地域密着型が基本です。
中には不動産部門や設計部門を展開する企業もあります。また、年間棟数規模20棟以上の企業を「ビルダー」と呼ぶこともあります。さらに、FCやVCといった提携グループに参加している工務店では、住宅ブランドの統一や資材の共同調達でコスト削減と信用度のアップを図っています。
ハウスメーカーとは
ハウスメーカーというのは、名前の通り、住宅を提供する会社で、ほとんどが全国展開している大企業です。多くの場合、「××ホーム」や「△△ハウス」といった住宅ブランドをテレビコマーシャルなどで宣伝していて、知名度も高く、富士市や富士宮市であれば、SBSマイホームセンターなどに出店していて、手軽にモデルハウスを見学することができます。
ハウスメーカーの住宅は、あらかじめ申請して法的な認定を受けた「型式適合認定」を受けているため、個別の住宅の建築確認申請時に書類作成や審査が簡素化されます。また、最近では「ローコスト住宅」で業績を伸ばしているハウスメーカーもあります。ローコスト住宅専門のハウスメーカーで家を建てる場合、一般的な工務店並みかそれよりも低コストとなることもあります。
ただし、ハウスメーカーは一般に割高とされているため、予算や好みに合わせて慎重に選ぶ必要があります。また、既製品の住宅を提供するため、設計や間取りなど、自由度は工務店に比べて低いというデメリットもあります。しかし、規格化された住宅であるため、品質や安全性については高い水準が保たれていると言えます。
「工務店」と「ハウスメーカー」は厳密な定義が存在しません。地方都市の小さな工務店から始まり、住宅事業専門で拡大している中規模程度の会社なら工務店であり、ハウスメーカーでもあることもあります。また、ハウスメーカーの下請け工事を請け負う工務店も存在します。しかし、一般的には、地元で住宅建築を手掛ける会社が工務店であり、全国で住宅を専門に供給する大企業がハウスメーカーという認識があります。工務店とハウスメーカーは、それぞれ得意分野やスタイルがあり、顧客の要望に合わせて選ぶことが大切です。
家を建てるときに「工務店」を利用する人は約6割。富士市の場合は?
日本において、自分の家を建てる人は工務店を利用することが多いです。実際に、工務店を利用して家を建てる人の割合は6割以上と言われています。ただし、統計の取り方や地域によって異なる場合もありますが、一般的な目安としては以下のようになります。工務店は、お客様の希望に合わせたオーダーメイドの家を建てることができ、価格も比較的コストパフォーマンスが高い場合が多いため、多くの人に支持されています。
一方、ハウスメーカーは、一定のプランに基づいた家を提供することが多く、価格は高めになる傾向があります。しかし、ハウスメーカーは、施工管理やアフターサポートなどをしっかりと行っている場合が多く、安心して家を建てることができるというメリットがあります。どちらを選ぶかは、お客様の希望やニーズに合わせて決めることが大切です。
・工務店を利用…6割以上
・ハウスメーカーを利用…3割
・その他…1割未満
「その他」には設計事務所に直接依頼する場合などが該当します。
「工務店」「ハウスメーカー」の特徴とメリット・デメリット
家を建てる際には、工務店とハウスメーカーのどちらを選ぶかが重要です。自分に合った会社を選ぶためには、それぞれの特徴を理解することが必要です。
工務店は、一つ一つの家を丁寧に手作りすることが得意で、オリジナルの家を作ることが可能です。
一方、ハウスメーカーは、工場で大量生産された部品を使い、短期間で建築を行うことが得意で、スピード感ある家づくりが可能です。
自分のライフスタイルや好みに合った家を建てたい場合は、工務店が適しています。一方、スピーディーな家づくりを求める場合は、ハウスメーカーが適しています。適切な会社を選ぶことで、自分に納得できる家づくりができるでしょう。
工務店の一番の魅力は「自由度の高さとコストパフォーマンス」。難しいのはいい会社の見極め
工務店で家を建てる場合、ハウスメーカーよりもコストパフォーマンスが高くなることが多いです。これは、工務店が直接地元の職人を組織できることや広告宣伝費を抑えていることが理由です。ただし、安くてもすべての工務店が高品質の住宅を提供できるわけではありません。そのため、信頼できる会社を選ぶことが大切です。
工務店に依頼すると、あなたの要望に柔軟に対応してくれるという利点があります。例えば、斬新なデザインや特殊な間取り、造り付け家具を希望する場合でも実現できる可能性が高くなります。また、大きなガレージや倉庫付き住宅を建てたい場合も、工務店に相談することができます。
一方で、工務店に依頼するには注意点もあります。自分の要望に応えてくれる会社を選ばなければならないため、施工実績や口コミなどを確認することが重要です。また、極端に安い見積もりを提示している会社でも手抜き工事をしたり、倒産してしまうリスクがあることもあります。そのため、契約前にしっかりと調べることが必要です。
工務店で家を建てる場合は、コストパフォーマンスが高く高品質な住宅を提供できる会社を選び、しっかりと要望を伝えることが大切です。
ハウスメーカーのよさは安定した品質。デメリットは割高な費用と、自由度の低さ
ハウスメーカーの住宅は地元の工務店に依頼するよりも割高となります。これは、企業が展開するテレビCMや住宅展示場、新しい技術編開発投資などが含まれているためですが、施主にとって高い料金を払うだけのメリットがないわけではありません。まず契約にあたり倒産リスクなどが極めて少ないという安心感が得られること、住宅の品質・性能・プランに一定の信頼感があることなどです。
ハウスメーカーの家は、最新のデザインと省エネなどの性能を備えています。また、長年の経験に基づき、人気があり住みやすさもあるデザイン・間取り・仕様を提供します。
ハウスメーカーのプランは多くの人が満足する最大公約数的な規格に設定されています。その分、個別の要望には応じにくい事情があり、前述した「型式適合認定」の範囲を超えるプラン変更を希望すると、当初見積もりからかなり割高になってしまいがちという点がマイナス面です。
また、近年では有名企業でも欠陥施工事例が発覚する例があります。
さらに、多くの要望を受け付けた担当者がすべてを反映しきれず、ちょっとした施工ミスが生じることはどんな家づくりでもあることです。したがって「ハウスメーカーに頼めば100%安心」というわけではないことも認識しておきましょう。
失敗しない注文住宅づくり。工務店やハウスメーカーの上手な選び方
【タイプ別】こんな人には工務店・ハウスメーカーどちらがおすすめ?
「工務店かハウスメーカーか」という2つの選択肢がありますが、実際には、どの工務店やハウスメーカーに依頼するかを最終決定することが非常に難しく、重要です。以下の情報は、工務店を中心に探すか、ハウスメーカーを中心に探すかという方針を決める前に参考になります。工務店には地元密着型のものや大手のものなどがあり、それぞれ得意分野が異なります。ハウスメーカーにも、設計や施工方法、価格帯などが異なります。また、口コミや評判、実績なども重要な情報です。そのため、依頼先を選ぶ前に、自分たちの希望やニーズに合った工務店やハウスメーカーを選ぶために、しっかりと情報収集をすることが大切です。
とにかく価格を抑えたい人→ローコスト住宅専門ハウスメーカーがおすすめ
マイホームセンターなどの展示場で、大手ハウスメーカーの家を見学すると、営業担当者から「低予算で建てられますよ」と勧められることがあります。
しかし、その言葉には慎重になる必要があります。自分たちの予算内で、独自の設計プランを実現したい場合は、地元の工務店数社に相談してみることがおすすめです。
ローコスト住宅メーカーも選択肢の一つとして考えることができますが、ハウスメーカーの規格品で問題がない場合は、そちらを選ぶことも検討してみると良いでしょう。自分たちに合った住宅を建てるためには、しっかりと比較検討し、慎重に選択することが大切です。
「こんな家を建てたい」というこだわりがある人、自分のイメージが明確な人→工務店がおすすめ
家づくりにおいて、外観や内装の色調、ロフトの有無など、様々なこだわりを実現したい方には、柔軟に対応してくれる工務店がおすすめです。プランニング段階で、自分たちの希望や要望をしっかりと伝えることが大切です。
その際、工務店の施工実績を確認することも重要です。例えば、会社のサイトやパンフレットで見ることができる施工実績が、多様なテイストの家ばかりだった場合、独自のこだわりを実現してくれる可能性が高くなります。
また、地元の建物や環境に精通しているため、自然な風景や季節感を取り入れた家づくりが期待できます。
家づくりは一生に一度の大きな投資です。自分たちの希望や要望をしっかりと伝え、信頼できる工務店を選ぶことで、理想の住まいを実現することができます。
性能やデザイン面で満足できる家を建てたい人→ハウスメーカーまたは提案力のある工務店がおすすめ
家を建てることを決めたけれど、どんな家にしたらいいかイメージが湧かないという方には、住宅展示場へ行くことがおすすめです。近くにいくつかのモデルハウスが集まっている住宅展示場があれば、そこに足を運んでみましょう。
最新の家をいくつか比較してみることで、自分にとって理想の家のイメージがはっきりしてくるかもしれません。もし、モデルハウスのテイストが気に入れば、そのハウスメーカーに相談してみることもできます。しかし、他の候補も検討したいという場合は、そこで見た家を基準として地元の工務店なども検討してみることをおすすめします。住宅展示場での見学は、家を建てる際の参考になることが多いため、ぜひ足を運んでみてください。
迷ってしまって家づくりのイメージがなかなか固まらない人→ハウスメーカー、または頼れる担当者がついてくれる工務店がおすすめ
工務店やハウスメーカーなどの実績を比較検討した際、どの企業も魅力的で、一つを選ぶことができないという人もいるでしょう。
このように迷ってしまう人は、自分の希望に合わせたプランを提案してくれる工務店で家を建てると、納得感を得られないことがあります。
そのため、住まいの提案に強いハウスメーカーに依頼するという選択肢もあります。また、工務店やハウスメーカーに限らず、施主のニーズに耳を傾け、それを実現してくれる頼れる担当者がいる会社を選ぶことが成功の秘訣となります。
忙しくて施工会社選びやその後の打ち合わせに時間をかけられない人→ハウスメーカーまたは規模の大きな工務店がおすすめ
家づくりには、最初に会社選びから始め、施工会社を決定した後には、プランの詳細決定、工事の進捗確認、諸手続きなどで多くの時間が必要です。
夫婦共働きなどで家族の誰も家づくりの打ち合わせに時間をかけることができない場合は、担当者に任せることができるハウスメーカーや、ハウスメーカー並みの担当者に任せることができる大手工務店がおすすめです。
彼らがすべての手続きを代行し、家づくりの過程をスムーズに進めることができます。また、担当者とのコミュニケーションがスムーズであることも重要です。担当者との信頼関係を築くことで、家づくりの過程をより楽しむことができるでしょう。
将来のリフォームも考えて末永く付き合える会社に依頼したい人→アフターフォローに定評のある、ハウスメーカーまたは規模と実績が確かな工務店がおすすめ
引き渡された直後は住み心地が良いものの、長期間住み続けると、修繕が必要な箇所が出てくることがあります。
また、家族の事情などによりリフォームが必要となることもあります。そのため、将来にわたって頼りになるハウスメーカーや工務店を選ぶことが重要です。
ハウスメーカーは大企業であるため、アフターフォローのシステムが万全であることが期待されます。しかし、着工実績を重視する急成長企業などでは、アフターフォローができる人員が乏しい場合もあるため、注意が必要です。
リフォームを行う際には、アフターフォローのシステムや実績を確認し、信頼できるハウスメーカーや工務店を選ぶことが大切です。長期的に見て、住宅のメンテナンスや修繕を適切に行い、快適な生活を送ることができるようにしましょう。
「店舗兼自宅」「ガレージ付き」など特殊な仕様の家を建てたい人→多様な建物施工実績のある工務店がおすすめ
一般的な住宅ではなく事務所や店舗付きだったり、広めのガレージや倉庫を作りたいといった特別な仕様の家を希望している場合は、店舗や事務所などの実績もある工務店がおすすめです。
まとめ
工務店とハウスメーカーのそれぞれについて、長所と短所があることがわかっていただいたかと思います。
つまり、どちらを選ぶべきかは、個人の好みや希望する家づくりのスタイルに依存するということです。工務店は、オーダーメイドの設計や施工が可能で、多様性やフレキシビリティに優れています。
一方、ハウスメーカーは、知名度と安心感。それぞれの特徴を比較検討し、自分にとって最適な選択をすることが重要です。
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